陶磁器の修復を通じていろんな機会をもらっていますが、なんと、高校生に陶磁器の修復を教えるという体験をさせてもらいました。
私が教えた人たちの中で、最年少になります。
普段は4~50歳、最高で70歳台、といったところで、10代というのは、初めてです。
果たして、高校生が「修復」なんぞ、興味をもってくれるのだろうか?!
そんな疑問と期待を抱きつつ、高校に・・・。
ちなみに・・・地元ではあたりまえのジョーシキですが、名古屋大学は国立大学で、「中部の東大」といわれるほど、近辺のエリート達が集まってくる大学なのです。ちなみに、愛知大学というのもありますが、そちらは私立。ついでにですが、奈良大学が私立で国立でないのですよ。
それはさておき・・・生徒会の田中くんが(私の連絡係)いろいろと世話を焼いてくれたのですが、思わず聞いちゃいました。「ねえ、陶磁器の修復ってわかるかなぁ~?」
長い沈黙がありました。
「わけ、わかんねーよ。」
・・・・といいたかったところでしょうが、優秀な彼は、とりあえずその一言は言いませんでした。
まあ、大人でもわからない人が多いので、高校生ならなおさらわからんでしょう。
なるべくわかりやすいように、メールで伝えました。
ワタシ→「陶磁器修復を体験してみよう」っていう授業をするからね。」
田中くん→「はい。わかりました。」(でも、あんたのやってること、ワケわかんないけどォ。)
ワタシ→「持ってくるものは、セロテープ、ハサミ。練習ピースはこちらから渡しますので、その材料費で250円お願いしますね。」
田中くん→「はい。連絡しておきます。」(でも、あんたのやってること、ワケわかんないけどォ。)
私→「当日車で行っていいですか?荷物が多いので」
田中くん→「はい。OKです。」(でも、あんたのやってること、ワケわかんないけどォ。)
カッコの中はあくまでも私が感じた部分ですが。(笑)
そういうやりとりがあって、ついに当日。
20名の高1から高3までの男女(半々くらい)があつまってくれました。
いやー、ひさしぶりに高校に行きました。いるわいるわ。いまどきの高校生が。
場所は美術室。
ついつい、田中くんに聞いたことを聞いてしまいました。
「ねえ、陶磁器の修復って・・・どういうものか、(博物館で)見たり聞いたりしたことある?」
私は見逃しませんでした・・・そこにいた全員が、一斉にみんなが目をそらしたのを・・・。(爆)
いまどきの高校生ははっきりしています。・・・ゆとり教育の成果でしょうか?!
「もしかして、他に選択するものがなかったから(授業内容は選択できる)、この『陶磁器の修復をしてみよう』っての・・・選んじゃったのかなあ・・・・」
(約半数は苦笑い)
わたしが講演したり、講習会をしたりするときは、ほぼ100%興味のある人が集まってきます。
だから、わりと食いつきがいいんですけど(笑)、ほんとに今回は、みんな引く、引く、どんな質問しても引いてくでーぇって感じ。
あまりに引いていくので、イントロダクション(修復の話)はほどほどにして、実際に割れた破片を接着してみる体験をさっそくはじめることにしました。
破片の数は25~35。だいたい、これくらいだと、大人で1時間半ぐらいかかります。
接着を始める前に、どの破片とどの破片が隣り合うのかをチェックしてもらって、ならべて置いてもらいます。
やらせてびっくり!10分ぐらいで、パーフェクトにならべている子いるんです。もともと頭がいいからなのか、若いから頭が柔軟なのか。
これじゃぁ、残りの1時間半がもたない・・・とあせったものの。
実際に接着剤をつけて、仮止めのセロテープを貼る作業は、けっこう大変だったようで・・・。
予定通り、1時間半前後で完成していた人が多かったようです。
最初はドン引きだった子たちも・・・作業にたいしては、いたって熱心。黙々と集中して作業する子がほとんどでした。
バラバラだった破片がつなぎ合わせられて、どんどん形になっていくと、楽しそう。
「いいねぇ~。ぴったり接着できてるねぇ~」って褒めてあげると、笑顔を見せてくれたりして。
「陶磁器にはまるぅ~~☆」っていう声も聞こえてきて、けっこう嬉しかったデス。
みんなに楽しんでもらえたなら、ほんと、嬉しいけど。
とにかく、私が楽しかったナ。
ボランティアのノーギャラ(笑)なんですが、「名誉職ね。」って母に言われました。
若い世代にも「修復」を少しでも伝えることができれば、いいな・・・って感じた1日でした。